さぁ、夢の話をしましょう。
それはとても弱い目をした人で、どこか僕に似ている、そんな気がしたんだ。
だけど違う。
僕の汚れた心が、汚れた声が、汚れた手が触れたら、
いつかキレイな君が壊れてしまいそうだった。

あぁ、そして長い夜が明け、望みもしない朝が夢を断ち切る。
皮肉な程に目を覚まさない君。
声を殺し、息を止めて、少しずつ遠退いて行く君に追いつけるまで。
悲し過ぎる言葉残したままで。

声になったら泣きだすから、伝えられなくて。
指に触れた欠片、君の影。
奪わないでよ、僕の声なら全てあげるから。
溢れ落ちた夢、言霊。

そう、夢の続きを見ようと、テレビ明かりだけの部屋で描こう。
僕の中の君を吐き出すように。
眠るように…。

一人の夜、思い出した最後の言葉を胸に抱いた。
心臓まで届け。
刺さる声と痛みだけが夢の続きなら、僕は何も怖くはない。

手紙にすれば３行の思い。
言葉にすれば３秒の思い。
歌にのせれば３分の思い。
巡り巡って幾千の痛み。
どれだけ、どれだけ…。

声になったら泣きだすから、伝えられなくて。
指に触れた欠片、君の影。
奪わないでよ、僕の声なら全てあげるから。
溢れ落ちた夢、言霊。

目を閉じたら、此処にいるよ。
聞こえますか？聞こえますか？
目を開けたら手を伸ばした。
宛てもないままで。
いつか届く、いつか届く…声が…この声が。

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